旅の前にでも

玄関から出れば、旅は始まっている。

香港と深センの「間」はアジアのシリコンバレーになれるか。

香港と中国 広東省深センとの「間」の境界周辺の中洲に、
ハイテクパークを建設する計画を中国政府と進めている。
テクノロジーで有名な深センはさておき、
今になって、なぜ香港はなぜこの計画を進めるのか。

経済の焦りと深センベンチャーブームの加速が狙い

ハイテクパークの名称はズバリ、
「香港・深セン イノベーション・テクノロジーパーク」である。
面積は約87ヘクタールで、
地域最大級のプロジェクトだ。
香港政府は、将来有望な企業の養成する場として、売り込みを賭けている。

香港・深センのメリット

香港と深センの境界に位置する地区であるが、
あくまでこの地域は香港領であるというのはポイントである。
法律などは香港のルールが適用される。
そのため、中国のインターネットのルールとして、
GoogleFacebookなどのサービスに制限があるが、
その呪縛から解放される地区なのだ。

両地域のメリットをまとめると、

香港のメリット
1.深センの割安な労働力を確保できる。
1.深センイノベーションへのアクセスしやすくなる。

深センのメリット
1.香港のルールを活用できる。
1.香港の経済を活用できる。

→ ハイブリット地区の誕生

2つの都市は役割転換を求めている

香港の伸び悩み

香港は運輸・観光業界からの収入が伸び悩んでいる。
これまで、香「港」の名の通り、
中国と世界との港として、物流や金融のハブの役割を担っていた。
だが、年々その役割は後退し、
コンテナ港の世界No.1の座をシンガポールと争ってきた。
そして、上海、深センらに抜かれ、
現在が世界5位にまで低下したのだ。
こうしたことから、従来の産業からの多角化を進めている。

深センの伸び悩み

一方、深センはDJI、Huawei、ZTEなど輝かしいイノベーション企業を生み出してきた。
そして、次のステップである研究開発や先進技術に力を入れ、
世界のテクノロジー創造拠点へと軌道修正しようとしている。

つまり、
-香港は産業の多角化
-深センは技術革新の次のステップへ
向かおうとしている。

ハイテクパークができるころには...

ハイテクパークのような特区の構想は目新しいものではない。
しかし、この2つの都市のコラボレーションはこれまでにないタッグだが。
2017年現在、建設には約7年以上かかるとされている。
つまりハイテクパークができるのは、2024年。
完成するころには、まだまだ元気のある深センと香港との差はより大きくなっている可能性もある。

結論

現状では、個人的に香港が深センの「ウマミ」を吸い取るための構想に見えなくもない。
この地域が、アジアのシリコンバレーとなることを期待したい。

以上です。
よい人生を。